食事・栄養シリーズ2回目です。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」「食べ物で治せない病気は医者でも治せない」などの格言を残していますが、今聞いてももっともすぎるくらい的を射た格言です。どんなに賢い人だったのでしょうね。まさに私が言いたいのもそのことで、体調不調で悩んだらまずは食べ物を見直すべし、と思っています。現代において、食事はただ食べてカロリーが得られれば良い、という感じで、あまりに軽視されている気がします。私が食事・栄養について、そしてさまざまな病気の原因について学んできたことで気づいたことを書いてみたいと思います。
あらゆる病気の原因の半分は食事ではないか
これはあくまで私の概観ですが、ありとあらゆる病気や体調不良の原因がある中でも、相当大きな因子を占めているのが「食事」だと思うんですね。ストレスや運動不足、睡眠など色んな原因がからみあって体調不良が起きているのですが、その中でも食事の占めるウェイトは大きく、半分くらいは占めているのではないかと思っています。よくよく考えてみると、私たちのこの物理的な肉体は何でできているかと言ったら、食べ物以外にありません。こんなにも直接的に体調に働きかける食事をおざなりにして病気が治るはずがないんです。誰にとっても関係がある食事をまずは見直すことで、あらゆる不調の根本原因の一つにアプローチしていくことができると考えています。
アレルギーのほとんどが化学物質によるものではないか
花粉症の原因が実は花粉ではなく、花粉に付着している排気ガスなどの化学物質にアレルギー症状を起こしているという話は耳にしたことがあるかもしれません。私もその説を支持していて、昔は花粉症というものがなかったことや、自動車などがほとんど通らない田舎の方では花粉症が少ないということからも、その説が有力であることが伺えます。食物アレルギーにも同じようなことが言えるのではないかと思っており、小麦アレルギーは小麦に含まれるポストハーベスト(農薬)が原因なのではないか、牛乳も乳牛のエサが遺伝子組み換え飼料であったり、ホルモン剤、抗生物質が投与されていたりするため、そういった人工物や化学物質が原因なのではないか、卵もまたしかり。結局、私たちの身体は化学物質に相当敏感なのだと思います。本当は化学物質が原因なのに、牛乳や小麦のたんぱく質が原因、と言われています。それはもちろん、支配層が私たちに化学物質が危険であることに気づかせないためだろうと思っています。
市場に安全な食べ物はほとんどない
ちょっと食べ物に気を遣おうとし始めると、「街に売っているものに安全なものなんてないじゃん」ということに気づきます。そうです、普通にスーパーなどで売っているものに安全な食べ物はほとんどありません。私は食べ物だけはお金をかけることにしていて、いつも自然食品の店などで安全なものを購入するようにしていますが、折に激安野菜などが売られているのを見ると、パッと見た感じで「なんか元気のない野菜だなぁ」とわかるようになりました。にんじんなんかも自然食品の店では土がついた状態で売られているのが普通なので、スーパーに並ぶ野菜がきれいに洗われているのを見るとぎょっとします。安全な食べ物は高いという印象があると思いますが、この価格帯に慣れてしまうと、スーパーの食品が安すぎて、「そんなに安いんじゃ身体に悪いに決まってる」と思うようになりました。すべては意識。何に重きを置くかということだけだと思います。
ある程度の基礎知識は絶対必要
私は何よりも「栄養学と解剖生理学を必須科目にすべし」と思っております。自分自身が体調不良に陥ったことで、心と身体の関係、スピリチュアルなこと、栄養、食事、解剖生理、病態生理などの医療系のことなど、あらゆることを自分なりに勉強してきましたが、これを学生時代にでも習っていたら、今こんなに食事をないがしろにすることはなかっただろうな、と思っています。知らないからこそ、適当に済ませてしまうんですね。物理的成分が身体でどう作用しているか、それぞれの病気はどういう機序で起きているのか、そういうことを知っていれば、おのずと気をつけようということになるはず。無知って怖いなと思います。
苦しんだからこそわかる食の大切さ
特に体調不良になったことがなければ、そこまで食べ物に気を遣う意味がわからない、と思われることでしょう。私自身は精神安定剤という化学物質に苦しめられ、体調不良に悩んだ経験があるからこそ、健康のありがたみを感じましたし、健康でいるためには知識をつけることも必要で、意識的に身を守らなければならないと悟りました。結局、高校生の時にお腹の調子が悪くて悩んでいたのも、日ごろの食事が悪かったために、化学物質過敏気味だったのではないかと思っています。あの時に食事にもっと気をつけなければいけないと気づいていたら、10年間薬を飲むこともありませんでしたし、一方でこうして健康に関する情報発信をすることもなかったでしょう。すべては必然の流れの中で起きていて、私は命に関わる病気ではない時点で薬をやめることができ、食事に気を配り、化学物質を避ける生活に移行することができたので、本当に良かったと思っています。私は自分の経験を発信することで、あらゆる不調でお悩みの多くの方のお役に立てれば幸いと感じています。