食事・栄養

農薬の危険性と「減農薬」のワナ

食事・栄養の記事6回目ですが、今回は「農薬」について。農薬が危険であることは周知の事実ですが、そうは言っても当たり前に使われているし、国の基準を満たしたものしか売れないんだから大丈夫でしょ?と思いますよね。私は普段家で食べるものについては自然食品店で有機の野菜を購入していますが、たまにスーパーなどで野菜を見ると、なんか野菜が不健康そうで買う気にはならない…。「なんで人参に土ついてないの!?洗ってるの!?」って思います。今日は農薬の危険性と「減農薬」のワナについて書こうと思います。

国産の農産物は安全?

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「中国産は危険」とか「輸入作物にはポストハーベスト(輸送の時間に腐敗するのを防ぐためにポスト=収穫後に農薬をまく)の心配がある」と思って国産の食材を買おうと気をつけている方も多いと思います。では本当に国産の農作物は安全・安心なのだろうか?というと、そうではないという現状が明らかになります。

農薬の単位面積当たりの使用量(2010年)ですと、中国、韓国についで世界第3位の使用量だそうです。しかしこれには理由があり、日本は国土が狭く、アメリカなどのように広大な土地で大規模に農業を行うのが難しいため、単位面積当たりの収穫量を上げないと効率が悪いそうです。また、日本は高温多湿な気候であるため、病害虫が発生しやすいという事情もあるようです。アメリカなどでは農薬散布しなくても育ちやすい小麦・大豆・じゃがいもなどを広大な敷地で栽培しているため、単位面積で割ると日本の農薬使用量が多いという結果になるということであり、日本が一概に使用量が多いとは結論づけられないかもしれません。それでも少ないというわけでは決してないので、「だから大丈夫だ」ということにはなりませんが。

残留農薬基準値について見てみましょう。日本とアメリカ、EUの基準値を比較すると、高いものではEUの300倍~500倍ゆるい基準に緩和されているものもあるとのこと(ネオニコチノイド系)。例えば、イチゴで比較すると、アメリカ0.6ppm、EU0.01ppm、日本3ppmまでオッケー。トマトはアメリカ0.2ppm、EU0.1ppm、日本2ppmまでオッケーです。単位面積での農薬使用量よりも残留農薬基準値の方がより危険性がわかるかもしれません。

どんな農薬が使われているの?

農薬と言ってもいろんな種類がありますよね。主には「殺虫剤」「除草剤」「殺菌剤」が挙げられ、虫や雑草、有害菌を防除するために使われています。農薬が危険なのは、散布することによる大気汚染・周辺環境への影響、汚染水を飲用することでの影響、残留農薬を摂取することでの影響などがあるためです。特に殺虫剤は虫の神経系に作用させるものが多いため、人間が摂取した場合に神経障害(パーキンソン病、筋硬化症、うつ病など)へのリスク増大につながります。また、ホルモン系にも作用しますし(いわゆる環境ホルモン)、発がん性がある物質も多いです。農薬の使用量と疾病罹患率の相関性も指摘されており、人体への影響は看過できません。ここでは、代表的な農薬を3種類ご紹介します。

*有機リン系

軍事用神経ガスの研究中に、ある種の有機リン系化合物が殺虫力を持つことが発見され、第二次世界大戦前後から殺虫剤として農薬に使われるようになった。人に対する神経毒性が高い化合物が多く、神経ガスとしてサリンなどが開発された。有機リン系農薬は中枢神経系及び末梢神経系に必須の酵素(アセチルコリンエステラーゼ)を阻害することで殺虫効果を発揮。木材防腐剤や防虫剤として使用される。電車、バス、タクシー、航空機などの、車内、機内、消毒にも使用される。

*ネオニコチノイド系

新しいタイプの農薬。このタイプの物質はニコチンと似た構造を持ち、特定の細胞シグナル経路を遮断する。また、神経発達にも悪影響を与える。有機リン系の農薬は、畑や田んぼから半径200mほどに影響を及ぼすとされていたが、このネオニコチノイド系農薬では半径4キロメートルに影響を与えるとされ、この農薬の影響で北半球からミツバチがいなくなったと言われており、生態系に並々ならぬ影響を与えていることが伺える。

*グリホサート

除草剤「ラウンドアップ」の活性成分。「ラウンドアップ」はアメリカの企業「モンサント社」が開発した農薬で、植物の成長に必要なアミノ酸生成をストップさせる作用がある。ラウンドアップに耐性のある遺伝子組み換え作物と抱き合わせ的に販売されたことで使用が拡大。ラウンドアップを使用した地域でのある種の疾患の罹患率が高いことから、発がん性が疑われている。

「減農薬」のワナとは?

「減農薬」と見ると、農薬のこと気を遣って身体に良さそうだし、普通のスーパーで買うよりは良いかも!と思ってしまうものですが、そう簡単なものでもないようです。結局、量を減らせる、ということはそれだけ「強い農薬を使っている」ということもありえます。中には本当に従来の農薬の量を減らしている農家さんもたくさんいることでしょうが、従来より強いものを使って「減農薬です」と謳っているものもあるわけです。特にネオニコチノイド系は強力な農薬であるため、量を減らすことが可能です。ネオニコチノイド系は本当に恐ろしい農薬で、0.01マイクログラム(1マイクログラムは1グラムの100分の1)で脳神経障害を引き起こすとされており、さらに悪いことに洗っても落ちないので残留農薬の心配が大きいんだそうです。「減農薬」と謳ったものの中には、このネオニコチノイド系の農薬が使われている可能性もあります。「減農薬」だからと安心はできず、農薬を避けようとするとやっぱり有機無農薬、自然栽培にこだわるに越したことはないということになります。

何をもって安全と言えるのか?真実を見抜く目を磨こう。

農薬安全派の言い分として、「農薬は危険危険というけれど、ごく微量だし、身体に影響のあるレベルではないでしょう」という言説を見かけますが、これも食品添加物のときと同じで、その作物を少し食べただけでは確かに害はないレベルだと思うのですが、複数の蓄積、農薬と添加物のダブルパンチ、さらにはトランス脂肪酸や砂糖などの摂取が加わることで、すぐに「人体に影響のあるレベル」に達します。そうでなければ、「医療の発達した」日本で、こんなにがんや糖尿病など生活習慣病の患者が増えるという事実は起こりえません。また、使われ始めて時間が経っていないものについて、どうやって安全と断定することができるのでしょうか。ネットの安全派は支配層の手先であることもありますので、玉石混交の情報が氾濫する現代においては、その情報の信ぴょう性をよくよく確かめる必要があります。科学者の「安全である」という言説にも要注意です。その科学者も支配層や農薬企業に買収されている御用学者である可能性が高いからです。

慣行農法を責めているわけではない。すべて世の中の仕組みと構造の問題。

JAを通した従来的な慣行農法では、JAが推奨するF1種と農薬を使うように促され、傷のついたもの、見栄えの悪いものは買い取ってもらえません。農薬を使わないに越したことはないけれども、JAに買い取ってもらえないのでは仕事にならないため、やむを得ず使われている農家さんも多いのではないでしょうか。科学技術の進歩により、危険性の少ない農薬も開発されていることでしょうし、安定して作物が得られるのは農薬のおかげということも一部にはあります。農家さんの生活を思うと100%否定することは難しいなと感じるのは確かです。そうやって考えていくと、今の私のように「安全な食べ物は自分で確保するしかない」という結論に至り、八ヶ岳に農園を借りるようなことにもなっていくわけです。

私がいつも思うのは、この「世の中の仕組みと構造」に問題があるということであり、農薬がどうの、遺伝子組み換えがどうの、という局所的な話ではないんですね。善良な農家さんが強力な農薬を使わざるを得なくなってしまうその状況が問題なのであって、なぜそんなことになってしまうのかを一人一人が知り、意識を変え、行動を変えてゆくことでしか、何も解決しないと思うのです。しつこいようですが、いつも同じ結論に達します。

・参考文献

『まだまだあった! 知らずに食べている体を壊す食品』手島奈緒 (著) 2014/2/27

『まもなく病気がなくなります! 超微小《知性体》ソマチッドの衝撃 医学・科学・宇宙に革新的見解をもたらす重大な発見』
上部 一馬 (著) 2015/11/9

・参考サイト

国際環境NGOグリーンピース

レポート「農薬と健康-高まる懸念」日本語版 を参考にしました。

松本自然農園 ブログ記事参考にしました。

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