ハーブの楽しみ方5回目となりました。「その1」(実際に試して変化や効果を感じやすかったハーブ)、「その2」(日常に取り入れやすいおいしくて飲みやすいハーブ)、「その3」(豊かな香りを楽しめるハーブ)、「その4」(おいしく飲む工夫が必要なハーブ)をご紹介してきました。体調管理のハーブティーは今回でとりあえず最終回にしようと思いますが、最後のテーマは微量栄養素である「ビタミン、ミネラルが豊富なハーブ」です。微量でも大切な働きをするビタミン、ミネラルをハーブで自然な形で摂取して健康維持に役立ててはいかがでしょうか。
ビタミン、ミネラルってどう大事なの?
ビタミン、ミネラルは体内のさまざまな代謝を助ける補酵素の働きをしていて、微量でもなくてはならない非常に重要な成分です。酵素ジュースが身体に良いとかコエンザイムQ10とか、聞いたことある人がほとんどかと思います。酵素がないとせっかく摂取した栄養分が体内にうまく取り入れられません。「コエンザイム」というのは「補酵素」という意味で、その酵素を働かせるためには補酵素が必要なんですね。その健康効果が注目されて、酵素ジュースやコエンザイムという言葉を近年よく聞くようになったのだと思います。「コエンザイム」自体はビタミンやミネラルということです。
ビタミンやミネラルは欠乏でも過剰でも身体に良くない(中には摂りすぎることはないものもありますが)ので、「適度」に摂取するのが大切です。あまりに欠乏した状態で体調不良が起きているのであれば、サプリメントなどの栄養療法も有効だと思いますし、私もサプリメントを飲んでいました。しかし、あくまでそれは一時的な措置にとどめるべきであり、個人的には常用するのはいかがなものかと思っています。できれば自然な形、食べ物やハーブティーで摂取するのが一番ですよね。
ハーブ愛飲家の私が選ぶビタミン、ミネラルが豊富なハーブ4選
*スギナ
スギナは別名ホーステールとも呼ばれる、土手などに生えているつくし、細長いスギナの葉茎部です。スギナにはミネラルのケイ素が豊富です。ケイ素は体内で骨や軟骨の発育やコラーゲンなどの結合組織を強化してくれる作用があります。また、利尿作用があるため、膀胱炎や尿道炎などの泌尿器系の感染症にも使われます。スギナと言えばとにかく「ケイ素」!!私は一時期ケイ素のサプリメントも愛用していましたが、ケイ素はデトックス効果が高いとされ、放射線をデトックスする作用があると言われているんですね。あとはすご~くマニアックですが、血液中には「ソマチッド」という謎の多い超微小生命体が存在するという説もあり、そのソマチッドとケイ素の関係性についても研究されているようなのです。そんなこともあり、個人的にケイ素が豊富なスギナには注目しております。
*ネトル
ネトルはとげとげした葉っぱが特徴の、葉緑素(クロロフィル)が豊富なハーブです。赤血球のヘモグロビンに構造が似ているクロロフィルには、やはり浄血作用があり、花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患に適応があると言われています。ミネラルはケイ素、カルシウム、カリウム、鉄を含み、ビタミンCや葉酸が豊富なので、妊婦さんや授乳中の方にもおすすめです。カリウムやケイ素を豊富に含むため、デトックス作用、利尿作用があり、泌尿器系の疾患にも用いられます。ビタミン、ミネラルと言えばネトル!人間の命である血液のヘモグロビンと、植物の命である葉の葉緑素(クロロフィル)の構造がそっくりというのは、宇宙の神秘を感じますよね。ネトルを炒って塩やゴマと絡めた「ネトルふりかけ」もおいしいです。
*マテ
マテは南米発祥のコーヒー、お茶(チャ)とならぶ「世界3大ティー」の一つにも数えられているハーブです。カフェインを含み、苦味のあるハーブです。グリーンのものと、ローストしたものがあります。ビタミンB1,B6,C、ミネラルは鉄、カルシウム、カリウムなどを含むため「飲むサラダ」と言われているほど。ビタミンB1もB6も、糖やタンパク質の代謝に欠かせない補酵素です。鉄分がないと酸素を全身に運べず、疲れがたまりがち。疲労回復に重要な鉄分と吸収を助けるビタミンCを一緒に摂れるマテは運動後の疲労回復にもおすすめ。カフェインが入っているので神経刺激、興奮作用もあり、コーヒー代わりに飲むのも良いですね。
*ハイビスカス
roselle tea (hibiscus tea), ローゼルティー(ハイビスカスティー) / T.Kiya
アントシアニン色素による真っ赤なティーで有名なハイビスカスは、ローズヒップとのブレンドがあまりにも有名です。ハイビスカスに含まれるミネラルは鉄、カリウムなど。強い酸味は植物酸によるもので、代謝を活発にさせるクエン酸が含まれています。マテの部分にも書きましたが、鉄分が含まれているので、ローズヒップのビタミンCとブレンドすると相乗効果で疲労回復にさらに効果的です。粘液質やペクチン、カリウムが豊富なので、緩下(便を出しやすくする)、利尿作用もあります。あまりにも酸味が強いため、ブレンドの量を考えないと、すべてがハイビスカス味になるので、量を加減してくださいね。
ビタミン、ミネラルの話になると、それぞれがどんな働きをして、どんな体調不良を引き起こすのかも書きたくなってしまいますね。それはまたおいおい書いていこうと思います。全5回にわたり、ハーブティーについて主観に基づき書いてまいりましたが、まだまだ全然語りきれていないので、折を見て各論や疾病別おすすめハーブなどもご紹介していこうと思います♪
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