レポ・感想

*セミナーレポ*アクアポニックス・アカデミーbyおうち菜園

2016年6月7、8日に開催された、株式会社おうち菜園主催の「アクアポニックス・アカデミー」ビジネスコースを受講してきました。ほとんどの方が、アクアポニックスって何?という状況だと思います。アクアポニックスとは、魚のフンを微生物が分解し植物の栄養に変えることにより、魚の養殖と植物の栽培ができるという究極の循環型農法なのです。詳しく学んできましたので、レポートにまとめます。

●まずは実物を見てみましょう!これがアクアポニックスです。

初めて見聞きする方はどんなものか全く想像ができないと思うので、まずは写真を載せたいと思います。こちらが、主催のおうち菜園さんで作られているシステムです。大きい方は材料を組み合わせてDIYしたもの、もう一つの水槽は、「さかな畑」という名前の商品でして、この装置を購入して手順通りにセッティングすれば、家庭でもアクアポニックスが楽しめるそうです。

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↑左がDIYしたもの、右が「さかな畑」 販売ページはこちらをクリック

水槽に金魚が泳いでいて、上でハーブが育っているのがお分かりになられたでしょうか。このように、一つのシステムで魚も育てられ、ハーブや野菜などの植物も栽培できるという、画期的な農法なんですね。

●アクアポニックスに興味を持ったきっかけ

詳しい説明はおうち菜園さんのホームページを見ていただくのが一番だと思いますので、ここでは私の感じることを書いてみたいと思います。そもそもなぜ私がアクアポニックスを知ったかというと、昨年自然療法やハーブに目覚めた時に、家のベランダで栽培しようと思い、ネットサーフィンをしていたんですね。そこでおうち菜園さんのサイトにたどり着き、ハーブの栽培キットを購入したというのが始まりでした。栽培キットの販売のほか、「アクアポニックス」を世に広めたいというのがおうち菜園さんのビジョンであると伺って、それは何?と思ってセミナーや講座に参加したところから今に至ります。

私がなぜアクアポニックスに興味を持ったかというと、それが目に見える形での「オーガニック」「有機農法」であったからです。いつもこうして食の安全の話やアンチケミカルの話をしているので、「オーガニック」「有機」には目がないんですよね。アクアポニックスは水耕栽培の一種と誤解されることもあるそうなのですが、どちらかというと有機農法に分類されるものであり、ほとんど化学肥料しか使うことのできない水耕栽培とは似て非なるものなんですね。なぜなら少しでも化学物質を使うと魚や微生物が死んでしまい、循環が生まれなくなってしまうからです。その循環がうまく回っている=有機であるということが目に見えてわかるという点が素晴らしいと思い、興味を持ちました。

●もう一つの大事な視点 「持続可能(サステナブル)」であること

食の安全への危惧や農薬によるミツバチの大量死、環境破壊や土壌汚染など、現行の農業は私たちの健康や生き物の命、環境破壊を前提として成り立っています。大量に作りたくて農薬や化学肥料を使うのに、採れ過ぎたり規格外になってしまった野菜は捨てられる運命です。農家の後継ぎ問題も重なり、TTPにより外国から危険な野菜が大量に入ってくる懸念も。そういった状況を危惧して、「自分の分は自分で」といった家庭菜園志向や、有機や自然農を志す新規就農者の増加などの動きも少しずつ見られています。健康、命、環境を害する農業ではなく、「持続可能(サステナブル)」な農業というのが、これからの時代にさらに必要となってくることは明白で、より調和的な農業にシフトしていかなければならないと感じています。

有機農産物の購買動機の話も伺いました。「安全・安心、健康のため」という動機と「理念に共感、環境に良い」という動機の大きく二つに分けられるそうですが、前者はアメリカ型、後者はヨーロッパ型と言われているそうです。日本はまだまだアメリカ型優勢で、自然環境まで配慮して有機農産物を選ぶという意識はまだまだ多数派ではないようです。私自身もいつも有機農産物を買うようにしていますが、「安全・安心、健康のため」というのが第一の理由でした。今回のセミナーを受けて、もっと大きな視点で、環境に配慮した農業であるという点も、購買の際に考慮する基準にしていきたいと感じました。

●世界のアクアポニックス、日本のアクアポニックス

日本では知名度0のアクアポニックスですが、海外の状況はどうなのでしょうか。アクアポニックス先進国や地域としては、オーストラリア、アメリカ、ハワイなどが挙げられます。日本は島国で四方を海に囲まれているのが当たり前なので気が付かないのですが、小さな島や大きな大陸ですと、水不足の問題が深刻で、家庭で雨水タンクを常備していたりするようです。アクアポニックスでは、従来の農業に比べて90%節水ができるということで、離島などの水不足対策として有用で、国連も技術指導に入るほどの農法なのだそう。ヨーロッパではスーパーの屋上にアクアポニックスを設置し、そこで採れた野菜やお魚をスーパーに卸す会社もあるそうです。また、魚・微生物・植物の循環のみならず、ニワトリも含めた循環を実践している方もいらっしゃるそうです。トリのフンを入れたお水で魚のエサとなるウキクサ(海藻)を育て、ウキクサを魚が食べ、フンを微生物が分解し、その栄養で育った植物をトリが食べることもあるとのこと。これって最強の循環型農業ですよね。世界では商業として成立しており、完全に日本は後進国で、まだまだこれからの農法です。

●日本でなかなか普及するのが難しいのは「四季」「土地」問題

世界では普及している地域もありますが、日本ではまた状況が違うので、一概にそのまま持ってこられない事情があります。まず、日本には「四季」がありますよね。アクアポニックスは比較的気候が安定して温暖な地域に適していると言われています。それは、あまり寒いと微生物が活動しなくなり、また魚も元気がなくなってしまうからです。冬の寒い時期はヒーターをつけて加温するか、その時期は撤収するしか今のところ方法はないようです。また、夏の時期の台風などの災害も、日本にとっては大きな障壁となります。ビニールハウスを設置したとしても、何年に1回かは大きな災害に見舞われることが多いです。それは今の農業でも同じことなのですが、アクアポニックスの場合は設備投資が必要なので、よりリスクになると言えるでしょう。

また、大規模農業をする場合の規模がやはり他の国とは全然違いますよね。日本は国土が狭いため、アメリカやオーストラリアのような大規模設備を作るのが難しいです。商業的に成立させるためにはある程度大規模に設備を作る必要があるため、日本で商業的に利益を出そうと考えると、よほど土地を有効活用しなければなりません。そのための方法として、最近は植物をタテ型に配置できるシステム(床面積を小さくできる)なども出てきているようです。日本は日本なりのかたちで、普及していくと良いですね。

●教育・介護・福祉施設の現場での普及を

そういった日本での事情もあり、おうち菜園の方々の考えるアクアポニックスの活用方法として一番嬉しいのが、「教育・介護・福祉」の現場に普及していくこなのだそうです。小学校にアクアポニックスがあれば、地球の循環、命の循環について深く学ぶことができますし、介護施設の現場でも、手入れが簡単(餌やりと水を足すくらい)で、車いすに座ったままでも作業ができるメリットがあります。障害者福祉施設でも同様に、作業が簡単なので従来の農作業よりも取り入れやすいのではないかと言われています。私も日本ではどちらかというと商業というよりは、家庭菜園レベル、もしくは教育・福祉施設、医療・セラピー関係やカフェなどに設置するのが向いているのかなと感じており、より人々の目に留まる場所に設置されると良いなぁと思っています。

●おうち菜園さんの熱意、情熱、こだわりに胸打たれます

おうち菜園のお二人は、アクアポニックスを通じて知り合い意気投合し、お二人で起業されたのだそうです。お二人の研究熱心さやこの農法を普及させたい!という純粋な思いにいつも胸打たれます。数々の試行錯誤を繰り返し、提供する商品にしても彼らが試して他の人に勧められると思うクオリティでなければ売らないというこだわりっぷり。アクアポニックスの情報は海外の文献しかないので、お二人が翻訳されたものを無料で公開されています。おうち菜園の講座には全国各地から人が集まっているそうで、ニッチながらも興味のある人には少しずつ知れ渡っているようです。私もお二人の思いに共感し、こうして記事を書いてみました。私自身も家では実践が難しいのですが、どこかにシステムを作ってみたいと考えています。進展がありましたら、また追ってご報告させて頂きますね。

*おうち菜園のホームページはこちら
*アクアポニックスについて詳しく学びたい方はこちら

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↑こちらの実践マニュアルがもらえます^^

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